イギリスのヴィクトリア女王は1837年18才で即位し四男五女をもうけています。女王は出産の痛みに耐える事をやめ、1853年に四男のレオポルド王子を出産する際、麻酔科医ジョン・スノウによるクロロホルムを用いた無痛分娩で出産しました。当時はキリスト教の影響もあり無痛分娩は社会的に認められていませんでしたが、女王の無痛分娩を契機に英国国教会が正式に認め、その後英国では急速に無痛分娩が広まっていきました。写真は19世紀の中流階級の英国の家庭での出産風景です。
現代の無痛分娩の主流である硬膜外麻酔による無痛分娩は、安全性も確立しており局所麻酔なので意識はあり、効果も確実で痛みのない出産が可能です。痛みに耐えるのではなく、痛みをとる方法を選ぶ女性が日本でもこれから増えてゆくかもしれません。